陸運業における死亡災害は着実に減少しておりますが、休業4日以上の死傷災害については、令和2年には115,815件と前年と比べて2.8%増加しており、平成29年と比べても7.5%の増加となっています。
さらに、令和2年の死傷年千人率は8.94となるなど、全産業の2.33と比べ約4倍と極めて高い水準にあるなど、大変憂慮すべき状況にあります。
陸運業における労働災害の約7割が荷役作業時に発生しており、特に荷台等からの墜落・転落が最も多く発生しております。また、ロールボックスパレット(カゴ車)の取扱い中の災害も多発(令和2年は約千件発生)しており、この約8割が不適切な取扱いが原因であることから、ロールボックスパレット(カゴ車)の安全な取扱い方法の徹底が重要です。
陸運業が発展していく中で、安全な職場環境は事業を継続する上での重要な経営課題であると考えられ、女性や高年齢者が益々活躍できる社会の実現のためにも大変重要な課題です。
各事業者(所)におかれましては、下記資料をご参照頂き、陸上貨物運送事業における労働災害防止にあらためて取り組んでいただきます様、お願いいたします。
全日本トラック協会では、トラック輸送産業の果たす重要な役割や、トラック運送業界の現状とその課題への対応について紹介する冊子「日本のトラック輸送産業 現状と課題2021」を発行しました。
下記リンクより書籍(A4判・全64ページ)をダウンロード出来ますので、トラック運送事業者の皆様はもとより、荷主企業や消費者の皆様にも広くごらんいただきたいと存じます。

今般、厚生労働省において、7月末までに報告があった熱中症の件数(速報値)を取りまとめたところ、昨年同時期と同様に高い水準の発生状況となっています。
例年、熱中症の発生は7月から8月にかけて急増するところですが、今般、全国で新型コロナウイルス感染症の感染者数が急増しており、職場においても感染防止対策と同時に熱中症予防対策の徹底が求められる状況にあります。
特に、夏場においては、感染防止の観点で実施される換気の影響により、屋内でも熱中症発生リスクの上昇が懸念されることから、夏季における室内の換気の方法、休憩場所での過ごし方、飲料水補給の方法等、感染防止対策を講ずることを前提とした熱中症予防対策に留意する必要があるところです。
8月以降の職場における熱中症予防対策の徹底に向けては、新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえた対策を実施し、一層の取組を進めていただきますようお願いいたします。
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令和3年度「全国労働衛生週間」が
「向き合おう! こころとからだの健康管理」
をスローガンに、また。
「うつらぬうつさぬルールとともに みんなで守る健康職場」
を副スローガンとしてが10月1日(金)から7日(木)の期間にて実施されます。
全国労働衛生週間は、昭和25年から毎年実施しており、労働者の健康管理や職場環境の改善など、労働衛生に関する国民の意識を高めるとともに、職場での自主的な活動を促して労働者の健康を確保することなどを目的としています。
なお、本年については、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点から、いわゆる「三つの密」(1.密閉空間(換気の悪い密閉空間である)、2.密集空間(多くの人が密集している)、3.密接空間(お互いに手を伸ばしたら届く距離での会話や発声が行われる))を避けることを徹底しつつ、9月1日から30日までを準備期間、10月1日から7日までを本週間とし、各職場において、職場巡視やスローガン掲示、労働衛生に関する講習会・見学会の開催など、さまざまな取組を実施して頂きますようお願いいたします。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中に頻繁に呼吸が止まったり、止まりかけたりする状態(睡眠呼吸障害)が繰り返されるために、質の良い睡眠が取れず、日中に強い眠気や疲労等の自覚症状を伴う病気です。
SAS患者は、居眠り運転を起こす危険性がある上、治療をせずに放置すると命にかかわる合併症(高血圧、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞等)を引き起こすおそれもあります。これらの疾病は、運転中の突然死にも繋がる健康起因事故の主原因でもあります。
ドライバー全員にSASスクリーニング検査を受診させて、SASの早期発見、治療を行い、健康起因事故をなくしましょう。

※ 検査の頻度は3年に一度が目安です。また、雇い入れ時はもちろん、職種変更や体重が急増したような場合にも検査を勧めます。
※ 青森県トラック協会ではSASスクリーニング検査助成事業を実施していますのでご活用ください。
参考資料
厚生労働省では、雇用関係助成金及び労働条件等関係助成金についての内容を取りまとめた冊子「令和3年度雇用・労働分野の助成金のご案内」を作成し、公開いたしました。
下記リンク先からダウンロードし、ご活用ください。
全日本トラック協会では、ドライバーの健康と安全を確保していくうえで喫緊の課題である「睡眠時無呼吸症候群(SAS)対策」について、SASスクリーニング検査の普及及び、健康起因事故の削減を目的に、ZOOMを使用したオンラインセミナーを開催することとなりましたのでお知らせいたします。
※ トラック協会会員のみの受講できます。
基礎編 主にまだSAS対策に取り組んでいない事業者様を対象に、SASスクリーニング検査の重要性・必要性への理解を深め、取り組みに向けての説明をします。 カリキュラム ・SASの特徴と症状について ・SASスクリーニング検査の進め方と助成事業の活用方法について ・健康起因事故・病気との関連性について 他 開催日 ・令和3年6月23日(水) ・令和3年8月19日(木) ・令和3年10月20日(水) ・令和3年2月16日(水) |
運用編 すでにSASスクリーニング検査等、SAS対策に取り組んでいる事業者を対象に、SASと診断されたドライバーに対する対応等を説明し、更なる取り組みの推進を図ります。 カリキュラム ・精密検査からSAS確定診断を受けた方の治療方法について ・治療する医療機関の選び方と受診継続について ・社内のルールづくり(社内規定の作成等)について ・SASスクリーニング検査の有効な活用と運行管理(点呼・睡眠教育等) 他 開催日 ・令和3年7月15日(木) ・令和3年9月15日(水) ・令和3年11月25日(木) ・令和4年1月19日(水) |
時間
各日程とも時間は 13:30~14:30(13:00 ログイン開始)
場所
オンライン形式で開催します
※ 皆さまの事務所等からご視聴ください 。
※ ZOOMを利用しての配信となります 。
講師
NPO法人ヘルスケアネットワーク 副理事長 作本 貞子
定員
各50名
※ 定員になり次第締め切らせていただきます。お早めにお申込みください。
申込方法
ZOOMへのサインアップ(初期登録)を済ませてから下記の全ト協ホームページよりお申込みください
申込締切
開催日 2 日前まで
※ 本オンラインセミナーは、Gマーク(安全性評価事業)申請の対象セミナーではありませんのでご了承ください。
職場における熱中症予防対策については、毎年重点事項を示してその予防対策に取り組み、平成29年より「STOP!熱中症クールワークキャンペーン」を実施し、各労働災害防止団体等と連携して熱中症予防対策に取り組んできたところです。
しかしながら、昨年1年間の職場における熱中症の発生状況(1月15日現在の速報値。別紙参照)を見ると、死亡を含む休業4日以上の死傷者は919人、うち死亡者は19人となっており、業種別の死傷者数については、建設業201件、製造業190件と全体の4割以上を占め、また、死亡者数は、製造業、建設業、清掃・と畜業の順に多く、管理が適切になされておらず被災者の救急搬送が遅れた事例、入職直後や夏季休暇明けで熱順化が不十分であった事例、WBGT基準値に応じた措置が講じられていなかった事例等が多く見られます。
一方、昨年、青森労働局管内においても熱中症により医療機関で療養を要した事案が建設業を中心に60件以上発生しており、また、過去5年間で死亡災害も2件発生しています。
このため、当局においては、令和3年「STOP!熱中症クールワークキャンペーン」実施要綱に基づき、熱中症リスクがあるすべての事業場を対象として、職場における熱中症予防対策の徹底を図ることとしています。
キャンペーン期間
令和3年5月1日から9月30日までとする。
なお、令和3年4月を準備期間とし、令和3年7月を重点取組期間とする。
各事業場における重点実施事項
(1) 準備期間中
・WBGT値の把握の準備
・作業計画の策定等
・緊急事態の措置
(2) キャンペーン期間中
・WBGT値の把握と評価
・作業環境管理
・作業管理
・健康管理
(3) 重点取組期間中
・作業環境管理、作業管理、異常時の措置
(一社)日本自動車車体工業会のバン部会による「バン型安全輸送ニュース〈ドライバーの働き方改革(製品紹介編)〉リーフレットをご紹介いたします。
多様な人材が安心して働きやすい環境を整えることは貨物自動車運送事業者にとって重要な責務であるとともに、近年の複雑多岐な輸送形態、荷姿の多様化や女性、高齢者ドライバーの増加、さらには働き方改善によりトラックの安全対策が求められています。
また、荷役作業中の労働災害は、「荷台への昇降時の転落」「作業中荷台からの転落」が約半数をしています。
バン型車には、安全な荷役作業ができるよう様々な安全装置が装備または、オプションが設定されているので、製品の特徴などを紹介した本リーフレットをご参考とし、荷台等からの転落、荷物の落下事故防止に努めましょう。

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「全国安全週間」は、産業界における自主的な労働災害防止活動を推進するとともに、広く一般の安全意識の高揚と安全活動の定着を図るため厚生労働省が主唱しているもので、この全国安全週間を契機として、それぞれの職場で労働災害防止の重要性について認識をさらに深め、安全活動の着実な実行を図ることを目的としています。
各事業者(所)におかれましては、労働災害防止、安全意識の高揚、安全活動の定着につきましてより一層の取り組みをお願い致します。
令和3年度全国安全週間 スローガン:持続可能な安全管理 未来へつなぐ安全職場 期間:7月1日~7月7日(準備期間:6月1日~6月30日) 主唱者:厚生労働省 中央労働災害防止協会 |