現在、原油価格がおよそ7年振りの水準まで値上がりしており、最近の円安の進展も相まって、原油をはじめとするエネルギーコストや原材料価格の上昇によって、とりわけ中小企業・小規模事業者の収益が強く圧迫されることが懸念されております。
現下の状況を鑑み、国土交通省、経済産業省では、各大臣名にて「原材料・エネルギーコスト増の影響を受ける下請事業者に対する配慮について」の通達を発しました。
元請け、親事業者におかれましては、下請事業者から価格交渉の申出があった場合には積極的に応じ、取引対価は原材料価格・エネルギーコストの上昇分を考慮した上で、十分に協議し決定するなど、方法と単価の両面において適切な価格決定がなされるよう、ご配慮をお願いいたします。
なお、一方的な価格設定などの買いたたきや減額など、下請代金法による違法行為が認められた場合には、公正取引委員会とも連携しつつ、厳正に対処するとしています。
下請中小企業者と親事業者との取引対価の決定方法については、下請中小企業振興法第三条に基づく振興基準 第4において、材料費、市価の動向等の要素を考慮した合理的な算定方法に基づき、下請中小企業の適正な利益を含み、下請事業者及び親事業者が協議して決定するものとされています。 〔下請中小企業振興法(抜粋)〕第三条 経済産業大臣は、下請中小企業の振興を図るため下請事業者及び親事業者のよるべき一般的な基準(以下「振興基準」という。)を定めなければならない。 〔振興基準(抜粋)〕第4 対価の決定の方法、納品の検査の方法その他取引条件の改善に関する事項 1) 対価の決定の方法の改善 (1) 取引対価は、品質、数量、納期の長短、納入頻度の多寡、代金の支払方法、原材料費、労務費、運送費、保管費等諸経費、市価の動向等の要素を考慮した合理的な算定方式に基づき、下請中小企業の適正な利益を含み、労働時間短縮等労働条件の改善が可能となるよう、下請事業者及び親事業者が十分に協議して決定するものとする。 |
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親事業者による一方的な価格設定などの買いたたきや減額などは、下請代金支払遅延等防止法(以下「下請代金法」という。)においては、禁止行為として規定されています。 〔下請代金法(抜粋)〕第四条 親事業者は、下請事業者に対し製造委託等をした場合は、次の各号(役務提供委託をした場合にあっては、第一号及び第四号を除く。)に掲げる行為をしてはならない。 (減額) 三 下請事業者の責に帰すべき理由がないのに、下請代金の額を減ずること。 (買いたたき) 五 下請事業者の給付の内容と同種又は類似の内容の給付に対し通常支払われる対価に比し著しく低い下請代金の額を不当に定めること。 |
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厚生労働省が公表している「過労死等の労災補償状況」によると道路貨物運送業は、脳・心臓疾患による過労死等の発症が業種別ワースト1となっています。
このような事態を受け、全ト協では「過労死等防止計画」を平成30年3月に策定しました。同計画では、労働時間を適切に管理し長時間労働を削減するとともに、健康管理対策を強化することを中心とした対策を掲げ、脳・心臓疾患による過労死等の発症を令和4(2022)年度までに20%削減すること等を目標に取り組みを進めています。
しかしながら、長時間労働の削減には、荷主等に協力・連携を働きかけ荷待ち時間等の削減を図る必要があり、今すぐ取り組むことが難しい状況もあります。
そこで、今すぐ取り組むことができる『緊急対策』について、取り組み方を示した本リーフレットを作成しました。健康管理対策を中心としたこの『緊急対策』を、全てのトラック運送事業者が着実に実行することにより、脳・心臓疾患による過労死等の根絶を目指します。
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11月は「しわ寄せ」防止キャンペーン月間です。
大企業・親事業者による長時間労働の削減等の取り組みが、下請等中小事業者に対する適正なコスト負担を伴わない短納期発注、急な仕様変更などの「しわ寄せ」を生じさせていある場合があります。
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11月は下請取引適正化推進月間です。公正取引委員会全国各事務所によるオンライン下請取引適正化推進講習会(参加費無料)を開催するほか、下請事業者を対象とした定期調査、下請かけこみ寺や不当なしわ寄せに関する下請相談窓口での相談受付を行っております。
相談窓口
(公財)全国中小企業振興機関協会 下請かけこみ寺 電話 0120-418-618
公正取引委員会 不当なしわ寄せに関する下請相談窓口 電話 0120-060-110
令和3年度下請取引適正化推進講習会(オンライン)
場所、時間を選ばず,下請法の基本的な考え方を学ぶことができるよう「下請取引適正化推進講習会動画(11月公開予定)」を作成しております。開催日時、申込方法などは下記リンク先をご確認ください。
適正取引講習会(オンライン)
日頃感じている、下請取引における疑問や不安を一挙に解決します。親事業者と下請事業者の適正な取引の推進を図るため、インターネットを活用したオンライン形式での講習会の実施等により,下請法等の普及・啓発を行います。
中小事業者等取引公正化推進アクションプラン
公正取引委員会は,最低賃金の引上げ等に伴う不当なしわ寄せ防止に向けた「中小事業者等取引公正化推進アクションプラン」(以下「アクションプラン」といいます。)を公表しております。
下請事業者を対象とした定期調査
公正取引委員会では毎年、親事業者及び当該親事業者と取引のある下請事業者を対象に定期調査を実施し、下請法違反被疑事実等の情報収集に努めています。
本年度は、親事業者を対象とする調査は、令和3年7月26日に実施、下請事業者を対象とする調査については、下請取引適正化推進月間中の令和3年11月下旬に実施する予定です。
次の各リンク先も併せてご確認ください
国土交通大臣、経済産業大臣の連名にて、暴風雨及び豪雨災害により影響を受けている下請中小企業との取引に関する配慮について、親事業者に向けた要請文が発出されましたのでお知らせします。
令和3年8月7日から同月23日までの間の暴風雨及び豪雨による災害によって、佐賀県地域等において、交通インフラや建物・設備の損害が確認される等、当該暴風雨及び豪雨の発生に伴う取引上の影響は、被災地域の親事業者、下請事業者と取引のある全国の親事業者、下請事業者に広がる可能性があります。
過去の大規模地震発生時においても、下請事業者の責任によらない受領拒否、返品、支払遅延等に関する相談や、従来の取引先から発注が受けられなくなったといった相談が寄せられたところです。
経営基盤の弱い中小企業者・小規模事業者に対するこれらの影響を最小限とするため、親事業者においては、次の事項について適切な措置を講じていただくよう要請いたします。
- 親事業者においては、今回の暴風雨及び豪雨の発生を理由として、下請事業者に一方的に負担を押しつけることがないよう、十分に留意すること(下記の参考参照)
- 親事業者においては、今回の暴風雨及び豪雨によって影響を受けた下請事業者が、事業活動を維持し、又は今後再開させる場合に、できる限り従来の取引関係を継続し、あるいは優先的に発注を行うよう配慮すること
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【参考】
災害発生時における、受領拒否や返品など取引上の問題に対する、独占禁止法及び下請法における考え方については、公正取引委員会が東日本大震災時に取りまとめております。ご参考としてください。
陸上貨物運送事業の労働災害の過半数は、トラックの荷台等からの墜落・転落等の荷役作業中に発生しています。そのうち多くは荷主等(荷主、配送先、元請事業者等)の事業場で発生しています。このため、厚生労働省では平成25年3月に「陸上貨物運送事業における荷役作業の安全対策ガイドライン」(以下、「荷役ガイドライン」といいます。)を策定し、陸運事業者の実施事項、荷主等の実施事項を示しました。本年度は、この荷役ガイドラインに示された荷役災害防止の担当者に対する安全衛生教育(荷主等向け)を下記日程により行います。
この講習会は、荷役ガイドラインの教育カリキュラムに基づいて実施されるものです。荷主等の企業の皆様には積極的なご参加をお待ちしています。
日時
令和3年11月17日(水)13:00~17:00
開催場所
HOCコネクト
青森県八戸市卸センター1丁目12-10
TEL 0178-28-0311
主催
陸上貨物運送事業労働災害防止協会青森県支部
講習内容
(1) 青森労働局担当官ご挨拶
(2) 荷役災害防止担当者教育(陸災防安全管理士)
(3) 質疑応答
(4) アンケート記入
定員
50名程度(先着順)
参加費及びテキスト代
無料
参加申込方法
参加申込は、下記参加申込書にご記入し、陸災防青森県支部までファックス(017-729-2266)でお申し込みください。
(受講票等は送付いたしません。)
申込締切
11月10日(水)
修了したことを証する書面
本講習会を受講された方には、修了したことを証する書面をお渡しします。
お問合せ先
陸上貨物運送事業労働災害防止協会青森県支部
TEL 017-729-2211
11月は下請取引適正化推進月間です。全国において、下請取引適正化推進講習会(参加費無料)を開催(オンラインによる非対面方式)するほか、公正取引委員会(本局及び地方事務所等)や中小企業庁及び経済産業省の地方経済産業局等で下請取引に関する相談等にも応じています。詳しくは次の連絡先にお問い合わせください。
公正取引委員会(https://www.jftc.go.jp)
・不当なしわ寄せに関する下請相談窓口フリーダイヤル 0120-060-110
【受付時間】10:00~17:00(土日祝日・年末年始を除く)
・東北事務所 022-225-8420
中小企業庁(https://www.chusho.meti.go.jp)
・事業環境部取引課 03-3501-1732
・東北経済産業局 022-221-4922
下請取引については、「下請代金支払遅延等防止法」や「下請中小企業振興法」による振興基準において、親事業者(発注者)の義務や禁止行為のルールなどが定められています。
公正取引委員会及び中小企業庁では定期的に下請取引の実態を調査し、下請取引適正化のための指導を行っています。
下請代金支払遅延等防止法 ・親事業者の義務 ○ 取引条件等を記載した注文書の交付 ○ 下請取引に関する事項を記載した書類の作成と保存 ○ 下請代金の支払期日を定めること ○ 遅延利息の支払 ・親事業者の禁止行為 ○ 受領拒否 ○ 下請代金の支払遅延 ○ 下請代金の減額 ○ 返品 ○ 買いたたき ○ 物の購入強制・役務の利用強制 ○ 報復措置 ○ 有償支給原材料等の対価の早期決済 ○ 割引困難な手形の交付 ○ 不当な経済上の利益の提供要請 ○ 不当な給付内容の変更・やり直し |
下請中小企業振興法 ・振興基準 ○下請事業者の生産性の向上、品質・性能の改善 ○発注内容の明確化,発注方法の改善 ○下請事業者の施設・設備の導入、技術の向上、事業の共同化 ○対価の決定方法,納品の検査の方法その他取引条件の改善 ○下請事業者の連携の推進 ○下請事業者の自主的な事業の運営の推進 ○下請取引に係る紛争の解決の促進 ○その他下請中小企業の振興のため必要な事項(下請ガイドラインや自主行動計画に基づく業種特性に応じた取組,知的財産の取扱いについてなど) |
関連リンク・資料等
『ホワイト物流』推進運動セミナーは、運動に取り組まれている事業者の方から、各種取組事例についてご紹介いただき、物流改革の重要な役割を担う荷主企業向けに、物流改革に向けた荷主の役割・期待について、取組内容や事例を含めてノウハウを提供することで、荷主企業による「ホワイト物流」推進運動への賛同や自主行動宣言への提出につなげる目的で開催されます。
セミナーは令和3年10月8日(金)から令和4年3月9日(水)までの間、全6回、オンラインにて開催されます。どこからでもお気軽にご参加いただけますので、運送事業者の皆様はもとより、荷主企業の皆様もこの機会にぜひご参加いただきますよう、ご案内いたします。
事例発表企業
荷主企業
・アサヒビール株式会社
・大王製紙株式会社
・加藤産業株式会社
・株式会社ホンダアクセス
・レンゴー株式会社
物流企業
・熊本交通運輸株式会社
・つばさトラック事業協同組合
・トランコム株式会社
・NEXT Logistics Japan 株式会社
詳しくは、下記リーフレットまたはウェブサイトをご確認ください。
中小企業庁の下請Gメンによるヒアリング調査などによれば、依然として発注側企業から一方的な原価低減要請が行われているほか、労務費や原材料価格が上昇している受注側企業が、発注側企業に対して価格交渉を申し込むことすら難しい実態が存在しております。
このため、最低賃金の改定を含む労務費や原材料費等の上昇などが下請価格に適切に反映されることを促すべく、本年9月を「価格交渉促進月間」に設定することが、令和3年8月25日に首相官邸で開催された「中小企業等の活力向上に関するワーキンググループ」において関係省庁間で合意されました。
中小企業庁では、これに基づき、発注側企業と受注側企業との間の価格交渉を促進するための各種施策を行ってまいります。
中小企業庁では、9月の「価格交渉促進月間」終了後に、下記のフォローアップを実施してまいります。 - 受注側企業への状況調査 10月以降、受注側企業に対し、発注側企業との価格交渉の状況について、下請Gメンによる重点的なヒアリング(2千社程度)や、アンケート調査(数万社に対して配布予定)を実施いたします。
- 調査結果の公表 上記1.の受注側企業に対する調査結果に基づき、 ・先進的な取組、グッドプラクティスの公表 ・アンケートの回答を数値化して集計し、公表することを検討 ・下請代金法に違反する事案については、公正取引委員会と連携して対処 等を行ってまいります。
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その他、本月間の期間において、価格交渉や下請代金法に関する講習会、セミナー等も実施してまいります。
発注側企業におかれては、上記の中小企業庁における実施事項を踏まえ、「価格交渉推進月間」における受注側企業からの価格交渉の要請に御対応いただければ幸いです。
今後とも、発注側企業と受注側企業の共存共栄関係の進展を目指し、適正価格での取引の実現に益々の御協力をいただきますよう、お願い申し上げます。
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全日本トラック協会では、トラック輸送産業の果たす重要な役割や、トラック運送業界の現状とその課題への対応について紹介する冊子「日本のトラック輸送産業 現状と課題2021」を発行しました。
下記リンクより書籍(A4判・全64ページ)をダウンロード出来ますので、トラック運送事業者の皆様はもとより、荷主企業や消費者の皆様にも広くごらんいただきたいと存じます。
