経済産業省及び公正取引委員会では、下請代金支払い遅延等防止法(下請法)に基づく違反行為への厳正な対処を行うとともに、下請法の普及啓発を図っています。
中小企業の取引環境
新型コロナウイルス感染症の影響により、我が国の下請事業者をはじめとする中小企業・小規模事業者は、かつて経験したことのないほど、厳しい経営環境に直面しました。
また、足下では原油価格が高騰する中、円安傾向も相まって、原材料・エネルギーコストが上昇していることも中小企業・小規模事業者にとって大きな打撃です。
さらに、これから年末にかけての金融繁忙期を迎えるに当たり、下請事業者の資金繰り等について一層厳しさを増すことが懸念され、親事業者が下請代金を早期にかつ可能な限り現金で支払い、下請事業者の資金繰りに支障を来さないようにすることが必要です。
下請代金支払等の適正化
令和3年3月に、親事業者による下請代金の支払について、「下請代金の支払は、できる限り現金によるものとすること」等を旨とした通達を発出しています。(下記リンク参照)
また、令和2年1月及び令和3年3月に下請中小企業振興法(昭和45年法律第145号)の「振興基準」を改正し、以下の事項を定めました。
【改正事項】
○ 知的財産の取扱い
○ 手形等の支払いサイトの短縮化及び割引料負担の改善
○ フリーランスとの取引
○ 親事業者に対する協議を下請事業者から申し出やすい環境の整備
「振興基準」とは、下請中小企業の振興を図るため、下請事業者及び親事業者のよるべき一般的な基準として下請中小企業振興法第3条第1項の規定に基づき、定められているものです。
取引において親事業者となる場合は、下請法の遵守や取引条件の改善について、上記の点に留意して下請取引の適正化に取り組んでいただきます様、よろしくお願いいたします。
価格交渉の促進
受注側企業と発注側企業との間で積極的な価格交渉を行っていただくとともに、発注側企業となる事業者は、受注側企業への不当なしわ寄せが生じないようお願いいたします。
【関連記事】
働き方改革
取引の一方当事者の働き方改革に向けた取組の影響がその取引の相手方に対して負担となって押し付けられることは望ましくないと考えられます。
そのため、大企業・親事業者による長時間労働の削減等の取組が、下請事業者に対する適正なコスト負担を伴わない短納期発注、急な仕様変更、人員派遣の要請などのしわ寄せを生じさせることにより、下請事業者の働き方改革の妨げとならないことが重要です。
親事業者となる場合は、下請事業者に対して発注を行うに当たって下請法等の違反にもなり得るしわ寄せを生じさせないようお願いいたします。
災害時における取引条件
令和3年8月の豪雨による災害によって、九州地方をはじめとした全国の広範な地域において、交通インフラや建物・設備の損害が確認される等、昨今では、台風や前線を伴った低気圧などがもたらす大雨によって河川の氾濫や土砂災害が発生しており、被災地域における事業者と取引のある全国の事業者に影響が広がっております。
親事業者となる場合は、災害等の発生を理由として、下請事業者に一方的に負担を押しつけることにより、取引のある経営基盤の弱い下請事業者に悪影響を与えることのないようお願いいたします。
【関連記事】
親事業者が遵守すべき事項について
親事業者となる場合は、下請事業者と協議をした上で適切な対価の決定を行う、事前に定めた支払期日までに下請代金を全額支払うなど、下請法の遵守に取り組むようお願いいたします。
また、大企業と中小企業の共存共栄関係の構築に向けた取組方針を、企業の代表者が宣言する「パートナーシップ構築宣言」の取組を推進しております。
この機会に、「パートナーシップ構築宣言」への登録を行っていただきます様、お願いいたします。
公益財団法人 公正取引協会主催にて「役務・コンテンツの外部委託に関する下請法解説講座」が行われます。
下請法は、製造や修理だけでなく、役務(運送、倉庫保管、情報処理、ビルメンテナンス、清掃、警備などのサービス)やコンテンツ(情報成果物)の分野にも幅広く適用が及んでおります。
役務やコンテンツの外部委託について、日頃、下請法との関係で悩むことがありませんか。例えば、自ら利用するコンテンツや役務等について
■ どのような委託内容が下請法の適用対象となるのか
■ 発注時にコンテンツの内容や下請代金の額を定められない場合の発注書の記載はどうするのか
■ 口頭で発注した場合の発注書の交付やその時期はどうするのか
■ 長期継続的な外部委託の発注書面の記載の仕方や買いたたきの疑いを持たれないような下請代金の設定
■ 支払遅延にならないためのコンテンツの受領日や役務を提供された日の考え方
■ 発注したコンテンツの内容変更・やり直しの指示を行う場合の留意点
などが考えられます。
本講座では、役務やコンテンツの外部委託に特化して、下請法の適用範囲や禁止行為、起こしやすい過ちなどについて、事例などに基づいて解説いたします。
下請法の理解を深める上で絶好の機会ですので、是非ご参加ください。
開講日
令和3年12月21日(火)14:00~16:00
講師
花本 浩一郎 弁護士(TMI 総合法律事務所)
配信方法
Zoomミーティングによるウェブ方式(1週間のオンデマンド配信あり)
受講料
公正取引協会会員:7,700 円
一般:11,000 円(1名当たり、資料代・消費税込み)
申込方法
ご案内リーフレットに記載の申込書または下記リンク「WEB申込みフォーム」からお申し込みください。
お問い合わせ先
公益財団法人 公正取引協会(ウェブサイト)
〒107-0052 東京都港区赤坂 1-4-1(赤坂KSビル2階)
電話:03(3585)1241
公益財団法人 公正取引協会主催、公正取引委員会の後援にて「令和3年度 独占禁止法実務講座」の配信が行われます。
独占禁止法の実務経験も豊富な弁護士及び公正取引委員会の幹部職員を講師にお迎えし、海外の競争当局の動向も含め、カルテル・談合、私的独占と不公正な取引方法、企業結合規制、同業他社などとの業務提携といった独占禁止法全般について、最近の動向を踏
まえながらコンプライアンス構築の視点も含め習得できる内容となっております。
この機会に是非受講いただきますようご案内いたします。
配信期間
令和3年11月25日(木)9:00~同年12月8日(水)18:00
※ オンデマンド配信ですのでお好きな日時に受講できます。
講座内容
■「不当な取引制限」(カルテル・談合)
■「私的独占と不公正な取引方法」
■「企業結合審査の実際」
■「業務提携と独占禁止法」
■「競争政策の国際的展開と企業活動上の留意点」
講師
独占禁止法の実務に詳しい弁護士・公取委幹部職員
受講料
公正取引協会会員 27,000円
一般 39,000円
(1名当たりの料金(消費税 10%込み,テキスト代を含みます。))
申込方法
ご案内リーフレットに記載の申込書または下記リンク「WEB申込みフォーム」からお申し込みください。
※ お申込みされた方には事前に講座資料を郵送します。講座視聴時にご用意ください。
申込み締切日
11月26日までお申込みを受け付け致します。
お問い合わせ先
公益財団法人 公正取引協会(ウェブサイト)
〒107-0052 東京都港区赤坂 1-4-1(赤坂KSビル2階)
電話:03(3585)1241
全日本トラック協会では「トラック運送業界の景況感(速報)令和3年7月~9月期」報告書を公開いたしました。
報告書は下記リンク先をご覧ください。
全日本トラック協会では、トラック運送業界に関係する税制の概要をまとめた令和3年度版「トラック税制の基礎知識」を作成、発行いたしました。
下記リンク先よりダウンロード(会員限定)できますので、事業運営にご活用ください。
※ ダウンロードページを開くには、全日本トラック協会機関紙「広報とらっく」最新号に記載のパスワードが必要です。
主な内容
・トラック運送事業関係諸税
・トラック・燃料にかかる税金
・トラックを取得した場合等の特別措置
・法人税等の概要
・法人税等にかかる特別措置
・施設や不動産にかかる税金
・事業承継税制の概要
・令和3年度税制改正の内容
~トラブルの 未然防止に 発注書面 ~
11月は下請取引適正化推進月間です。公正取引委員会全国各事務所によるオンライン下請取引適正化推進講習会(参加費無料)を開催するほか、下請事業者を対象とした定期調査、下請かけこみ寺や不当なしわ寄せに関する下請相談窓口での相談受付を行っております。
相談窓口
(公財)全国中小企業振興機関協会 下請かけこみ寺 電話 0120-418-618
公正取引委員会 不当なしわ寄せに関する下請相談窓口 電話 0120-060-110
令和3年度下請取引適正化推進講習会(オンライン)
場所、時間を選ばず,下請法の基本的な考え方を学ぶことができるよう「下請取引適正化推進講習会動画(11月公開予定)」を作成しております。開催日時、申込方法などは下記リンク先をご確認ください。
適正取引講習会(オンライン)
日頃感じている、下請取引における疑問や不安を一挙に解決します。親事業者と下請事業者の適正な取引の推進を図るため、インターネットを活用したオンライン形式での講習会の実施等により,下請法等の普及・啓発を行います。
中小事業者等取引公正化推進アクションプラン
公正取引委員会は,最低賃金の引上げ等に伴う不当なしわ寄せ防止に向けた「中小事業者等取引公正化推進アクションプラン」(以下「アクションプラン」といいます。)を公表しております。
下請事業者を対象とした定期調査
公正取引委員会では毎年、親事業者及び当該親事業者と取引のある下請事業者を対象に定期調査を実施し、下請法違反被疑事実等の情報収集に努めています。
本年度は、親事業者を対象とする調査は、令和3年7月26日に実施、下請事業者を対象とする調査については、下請取引適正化推進月間中の令和3年11月下旬に実施する予定です。
次の各リンク先も併せてご確認ください
11月は下請取引適正化推進月間です。全国において、下請取引適正化推進講習会(参加費無料)を開催(オンラインによる非対面方式)するほか、公正取引委員会(本局及び地方事務所等)や中小企業庁及び経済産業省の地方経済産業局等で下請取引に関する相談等にも応じています。詳しくは次の連絡先にお問い合わせください。
公正取引委員会(https://www.jftc.go.jp)
・不当なしわ寄せに関する下請相談窓口フリーダイヤル 0120-060-110
【受付時間】10:00~17:00(土日祝日・年末年始を除く)
・東北事務所 022-225-8420
中小企業庁(https://www.chusho.meti.go.jp)
・事業環境部取引課 03-3501-1732
・東北経済産業局 022-221-4922
下請取引については、「下請代金支払遅延等防止法」や「下請中小企業振興法」による振興基準において、親事業者(発注者)の義務や禁止行為のルールなどが定められています。
公正取引委員会及び中小企業庁では定期的に下請取引の実態を調査し、下請取引適正化のための指導を行っています。
下請代金支払遅延等防止法 ・親事業者の義務 ○ 取引条件等を記載した注文書の交付 ○ 下請取引に関する事項を記載した書類の作成と保存 ○ 下請代金の支払期日を定めること ○ 遅延利息の支払 ・親事業者の禁止行為 ○ 受領拒否 ○ 下請代金の支払遅延 ○ 下請代金の減額 ○ 返品 ○ 買いたたき ○ 物の購入強制・役務の利用強制 ○ 報復措置 ○ 有償支給原材料等の対価の早期決済 ○ 割引困難な手形の交付 ○ 不当な経済上の利益の提供要請 ○ 不当な給付内容の変更・やり直し |
下請中小企業振興法 ・振興基準 ○下請事業者の生産性の向上、品質・性能の改善 ○発注内容の明確化,発注方法の改善 ○下請事業者の施設・設備の導入、技術の向上、事業の共同化 ○対価の決定方法,納品の検査の方法その他取引条件の改善 ○下請事業者の連携の推進 ○下請事業者の自主的な事業の運営の推進 ○下請取引に係る紛争の解決の促進 ○その他下請中小企業の振興のため必要な事項(下請ガイドラインや自主行動計画に基づく業種特性に応じた取組,知的財産の取扱いについてなど) |
関連リンク・資料等
全日本トラック協会及び都道府県トラック協会において実施しております標準的な運賃普及推進運動のなかで、パソコンやスマートフォンを活用した各種情報提供を行うこととしておりますが、今般その一環として、求荷求車情報ネットワーク(WebKIT)の運賃計算シミュレータをトラック協会会員事業者向けに提供することといたしましたのでお知らせいたします。
本シミュレータは、「地域」、「車種」、「距離」、「時間(時間制の場合)」を入力するだけで、距離制、時間制の「標準的な運賃」が計算できるコンテンツで、WEB版のほか、スマートフォンなどで利用できるアプリ版も提供しております。
下記リンク先から、WEB版、またはアプリ版にてご活用ください。(会員専用)
※ シミュレータのご利用には全日本トラック協会機関紙「広報とらっく」掲載のパスワードが必要となります。
関連記事
中小企業庁の下請Gメンによるヒアリング調査などによれば、依然として発注側企業から一方的な原価低減要請が行われているほか、労務費や原材料価格が上昇している受注側企業が、発注側企業に対して価格交渉を申し込むことすら難しい実態が存在しております。
このため、最低賃金の改定を含む労務費や原材料費等の上昇などが下請価格に適切に反映されることを促すべく、本年9月を「価格交渉促進月間」に設定することが、令和3年8月25日に首相官邸で開催された「中小企業等の活力向上に関するワーキンググループ」において関係省庁間で合意されました。
中小企業庁では、これに基づき、発注側企業と受注側企業との間の価格交渉を促進するための各種施策を行ってまいります。
中小企業庁では、9月の「価格交渉促進月間」終了後に、下記のフォローアップを実施してまいります。 - 受注側企業への状況調査 10月以降、受注側企業に対し、発注側企業との価格交渉の状況について、下請Gメンによる重点的なヒアリング(2千社程度)や、アンケート調査(数万社に対して配布予定)を実施いたします。
- 調査結果の公表 上記1.の受注側企業に対する調査結果に基づき、 ・先進的な取組、グッドプラクティスの公表 ・アンケートの回答を数値化して集計し、公表することを検討 ・下請代金法に違反する事案については、公正取引委員会と連携して対処 等を行ってまいります。
|
その他、本月間の期間において、価格交渉や下請代金法に関する講習会、セミナー等も実施してまいります。
発注側企業におかれては、上記の中小企業庁における実施事項を踏まえ、「価格交渉推進月間」における受注側企業からの価格交渉の要請に御対応いただければ幸いです。
今後とも、発注側企業と受注側企業の共存共栄関係の進展を目指し、適正価格での取引の実現に益々の御協力をいただきますよう、お願い申し上げます。
関連記事
全日本トラック協会では、トラック輸送産業の果たす重要な役割や、トラック運送業界の現状とその課題への対応について紹介する冊子「日本のトラック輸送産業 現状と課題2021」を発行しました。
下記リンクより書籍(A4判・全64ページ)をダウンロード出来ますので、トラック運送事業者の皆様はもとより、荷主企業や消費者の皆様にも広くごらんいただきたいと存じます。
