今般、国土交通省より、事業用自動車事故調査委員会が公表した「事業用自動車事故調査報告書」に係る再発防止策への取り組みに関する文書が発出されました。
内容につきましては、
○ 公表された4件の事故の中で、特に、平成29年11月22日0時41分頃、大阪市平野区で発生した大型トラクタ・バンセミトレーラーの衝突事故については、運転者が運行経路上にあるフェリー乗船中に飲酒し、フェリーを下船する際には点呼を受けることもアルコール検知器で検査することもなく運転を開始していた。
〇 当該事業者の運転者の間では、フェリー乗船中の飲酒が常態化していたものと考えられる。
〇 ついては、今後同種の事故を防止するため、同報告書において提言のあった再発防止策について取り組むとともに、運行経路にフェリーを組み入れている事業者に対しては、フェリー乗船中の運転者の休息方法を改めて点検する等により、輸送の安全に万全を期すよう、関係事業者に対する周知徹底を図られたい。
というものです。
トラック運送事業者の皆様には、本県事業者による飲酒を伴う事故が、平成28年に2件、平成30年に1件発生していることを認識していただき、下記「再発防止策」を周知徹底し、輸送の安全確保に万全を期されるようお願い申し上げます。
1.運転者に対し、点呼の実施時期を指示し、運行管理者が点呼を実施できる体制を確保した上で確実に実施すること。また、泊りの運行では、指示した点呼の実施時期を過ぎても電話がない場合は、運行管理者等が電話することにより確実な点呼を実施すること。
2.電話点呼時に休息期間内での飲酒の有無を口頭で確認するとともに、アルコール検知器を用いて適切に実施すること。
3.出先でのアルコール検知を確実に実施するため、実施状況や測定結果がリアルタイムで送信できる検知器等の導入を進めること。
4.社内規程等に「労働協約違反で解雇されることもあり得る。」を規程し、運転者を指導すること。
5.運行途中にフェリーを頻繁に利用する事業者は、運行管理者等が、必要に応じ、抜き打ちでフェリーに乗船し、運転者の休息期間の過ごし方を確認する必要がある。
6.アルコールが検知された場合、アルコールが検知されなくなるまで運転させないこと。
7.運転者に対し、飲酒運転は、悲惨な事故を引き起こすことを飲酒運転による事故事例の映像等を用いて周知すること。
事業用自動車事故調査報告書の詳細については下記リンク先記事をご覧ください。