標準貨物自動車運送約款改正に伴う運賃・料金の変更届出を行う必要性について/国土交通省

 平成29年11月4日に改正標準貨物自動車運送約款が施行され、新約款に基づく運賃・料金の変更届出が5月25日現在で45%を超えたところですが、一方で旧約款を独自約款とする認可の件数も約9,000件となっており、約款改正の趣旨が必ずしも反映されていない形で認可を受けている場合もございます。

 そのため国土交通省では、「標準貨物自動車運送約款改正に伴う運賃・料金の変更届出を行う必要性について」を発表し、改めて新約款の意義や新たな運賃・料金設定の必要性を周知する事となりましたのでお知らせいたします。

 なお、今後、全日本トラック協会では国土交通省と協力し、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、公正取引委員会及び全日本トラック協会の連名による適正取引の推進及び長時間労働の是正に向けた協力依頼を全国の荷主及び荷主団体に対して行うこととしております。

1.標準貨物自動車運送約款改正の趣旨

 トラック運送業においては、これまでの商慣習により、積込み・取卸し作業、荷主都合により生じた待機時間、倉庫での棚入れ等の附帯作業、などに係るコストの負担が不明確となっており、これらに係る対価が支払われない場合が生じやすくなっていました。このような状況を改善していくために、サービスに対応した対価を収受する環境を整えていく必要があります。

 このため、運送の対価である「運賃」と積込料や待機時間料といった運送以外の役務の対価である「料金」の範囲を明確化し、「運賃」と「料金」を別建てで収受できるよう、標準貨物自動車運送約款の改正を昨年11月に行いました。

2.標準運送約款改正に伴う運賃・料金の変更届出について

 貨物自動車運送事業法第10条第1項により、運送約款については、国土交通大臣の認可を受ける必要がありますが、標準運送約款については、国土交通大臣の認可を受けたものとみなすこととされております。(同条第3項)
 このため、標準運送約款を用いる場合には、特段認可を受ける必要はありません。

 多くの事業者では、貨物自動車運送事業法の許可に際して、標準運送約款を使用することを選択されているところです。

 標準運送約款については、昨年改正が行われ、昨年11月から改正後のものが標準運送約款となっております。
 このため、従来から標準運送約款を使用されている事業者については、昨年11月から、自動的に改正後の標準運送約款の効果が生じているところです。(独自運送約款の認可を受けた場合を除きます。)

 改正後の標準運送約款においては、待機時間料、積込料、取卸料等の料金を設定する旨が規定されており、新たに設定する待機時間料等の料金については、事後に届出を行って頂く必要があります。
 まだ、改正後の標準運送約款に基づく待機時間料、積込料、取卸料等の料金の届出をされていない場合には、速やかに届出を行って下さい。

 なお、届出された後に変更の必要が生じた場合には、再度、事後届出をして頂く必要はありますが、変更することが可能です。

3.改正後の標準運送約款に基づき料金等を設定することの意義

 ドライバー不足が課題となる中、また、少子高齢化が進む中、ドライバーの限られた時間が有効に活用され、効率的な運送を実現できるようにしていく必要があります。

 例えば、積込み・取卸し、待機等にかかる時間(手間)が長くなったり、棚入れやラベル貼り等の付加的なサービスをドライバーが行うことになれば、それに伴い、付加的なコストがかかる、又は、効率性が損なわれることとなります。

 しかしながら、付加的なサービスが追加される場合に、それに伴うコストが明確になっておらず、サービスを追加しても全体の支払金額が変わらない状態では、荷主側には、効率性が損なわれないようにするインセンティブが働かないことになります。

 一方、運送の対価と運送以外のサービスの対価を区分して、運送以外のサービスについて対価が必要となることが明確になると、例えば、今後、さらに付加的なサービスが追加された場合には、それに伴いコストが生じることが、荷主側にも示されることとなります。

 加えて、契約の書面化の取組みと併せて考える必要はありますが、付加的なサービスが追加された場合の追加的な対価の不払いなどに関する下請法や独占禁止法の適用の観点からも、こうした両者を区分して明確に設定しておくことは重要なものとなります。
 例えば、契約には含まれていない付加的なサービスを後から対価なしに提供することを強要された場合等には、当該強要する行為は、下請法等違反となる場合もありえますが、契約で運送や付加的なサービスの範囲が決められている、付加的なサービスにコストがかかることが明確となっていること等により、より該当性の判断がしやすくなる面があるものと考えられます。

4.独自運送約款の認可を受けている場合について

 標準運送約款以外の独自約款の認可を受けている場合においても、上記1~3の趣旨を踏まえ、運送の対価と運送以外のサービスの対価を区分して、運賃と料金とを設定するものとなっている必要があります。
 例えば、待機時間料、積込料、取卸料、附帯作業料等については料金として扱われるべきものとなります。

 昨年11月の標準運送約款の改正の際に、上記の趣旨が必ずしも反映されていない形で独自運送約款の認可を受けている場合(例:改正前の標準運送約款)もあるかと思いますが、上記の趣旨を踏まえ、できるだけ早期に現行(改正後)の標準運送約款の使用に加えて上記2で述べたような料金変更等の届出を行う等、適切に対応して頂くようお願い致します。

※ 新約款、様式等リンク

自動車運送事業者が運転者に対して行う一般的な指導及び監督の実施マニュアルが改正されました/国土交通省

 国土交通省では、睡眠不足による重大な交通事故が発生していること、事故発生時や積雪時等の緊急時の対応や安全確保が不十分である事案が発生していること、被害軽減ブレーキや車線逸脱警報装置等の運転支援装置を備えた車両が普及してきていること等を踏まえ、「自動車運送事業者が運転者に対して行う指導及び監督の指針」(告示)に、これらに対応する内容を追加するための改正を6月1日に行いました。

 また、この指針を具体的に実施する際の手引き書として公表している「自動車運送事業者が運転者に対して行う一般的な指導及び監督の実施マニュアル」についても、指針の改正に関する内容を盛り込んだ改正を行いましたので併せてお知らせいたします。

睡眠不足に起因する事故防止対策に関するQ&A及び点呼記録簿サンプル/国土交通省

 睡眠不足に起因する事故防止対策を強化するため「貨物自動車運送事業輸送安全規則の解釈及び運用について」の一部が改正され、6月1日から施行されておりますが、このことに関し、国土交通省が作成したQ&Aが公表されましたのでお知らせいたします。

また、点呼記録簿のサンプルを掲載いたしますので、ご参考としてください。

※ リンク先に掲載している点呼記録簿は、大光社印刷株式会社が作成し、販売しているものです。ご希望の場合は直接大光社印刷株式会社へご連絡願います。

購入申込先:大光社印刷株式会社
担当:総務部
TEL:03-3643-2971
FAX:03-3643-2961

※ 青森県トラック協会各支部では輸送文研社版の点呼記録簿(睡眠不足状況欄追加版)を販売しております。
  詳しくは各支部事務局へお問い合わせください。

 

輸送安全規則一部改正~点呼時における睡眠不足確認・記録が追加されます~/国土交通省

 国土交通省では、睡眠不足に起因する事故防止対策を強化するため「貨物自動車運送事業輸送安全規則の解釈及び運用について」の一部を改正しました。

1.改正内容
  睡眠不足に起因する事故防止対策を強化するため、点呼時の記録事項として、睡眠不足の状況が追加されました。

2.施 行
  平成30年6月1日(金)

 これまでも運転者を乗務させてはならない「その他の理由」の中に睡眠不足は含まれていましたが、今回の改正においてこれを省令上明記したものです。

 詳しくは下記リンク先をごらんください。

「貨物自動車運送事業者に対する行政処分等の基準について」の一部改正について/国土交通省

 過労防止関連違反等に係る行政処分の処分量定の引上げ等に関し、国土交通省自動車局長より「「貨物自動車運送事業者に対する行政処分等の基準について」の一部改正について」通達が発出されましたのでお知らせいたします。

 なお、施行は平成30年7月1日を予定しています。

「貨物自動車運送事業輸送安全規則の解釈及び運用について」の一部改正について/国土交通省

 国土交通省自動車局安全政策課長、貨物課長及び整備課長連名により「「貨物自動車運送事業輸送安全規則の解釈及び運用について」の一部改正について」の通達が発出されました(施行日:平成30年3月30日)。

 本通達において、過労運転の防止策については自動車運送事業主や事業者役員等が運転者を兼ねる場合にも適用されること、また、IT点呼を行える対象として「車庫と車庫間」を加える等の改正内容が示されています。

 詳しくは、下記リンクからPDFファイルをダウンロードしご確認願います。