国土交通省から、平成29年度のホイール・ボルト折損等による大型車の車輪脱落事故発生件数は67件(うち人身事故2件)で、前年度に比べ11件増加し、近年、同事故の発生件数は増加傾向にあるとの報道発表がなされました。
これから冬用タイヤの交換作業を迎えることから、タイヤ交換時の適正な作業の実施、一定距離走行後の増し締めなど、確実なチェックが重要です。
事故発生の主な傾向
・大型車の車輪脱落事故は、冬期(11月~3月)に集中(全67件中56件(84%))
・積雪地域での発生が多く、北海道での発生が前年度より8件増加し13件(前年度の2.6倍)
・車輪脱着作業後1ヶ月以内に発生した脱落事故が約半数(55%)を占める。
・脱輪の主な原因のうちホイール・ボルト又はナットの締付不良等の「作業ミス」が91%と大半を占める。
・脱輪の直前に行ったタイヤの脱着作業が「タイヤ交換」である44件について、その作業の実施月を見ると、11月にタイヤを交換した車両が21件(48%)を占める。
・車輪脱落位置の大半(56件(83%))が左後輪
車輪脱落事故防止に係る取り組み
国土交通省では、近年、車輪脱落事故の発生が増加傾向にあることを重く受け止め、関係業界とともに「大型車の車輪脱落事故防止対策に係る連絡会」において、脱輪防止対策に係る従来の取り組みに加え、各業界で取り組むべき車輪脱落事故防止のための「緊急対策」を取りまとめ、実施しております。
特に、これから冬期に向けて冬用タイヤの交換がピークを迎えるため、各運送事業者においては、
■ 日程に余裕を持った計画的な冬タイヤの交換の実施
■ ホイール・ナットの規定トルクでの確実な締付け
■ タイヤ交換後、50~100km走行後の増締めの実施
■ 日常(運行前)点検における確認
■ ホイールに適合したボルト及びナットの使用
について徹底してください。また、特に脱落の多い左後軸のタイヤについては重点的に点検を実施しましょう。
- 車輪脱落事故防止リーフレット「走行中のタイヤ脱落事故急増!!」(全日本トラック協会)
- 大型車の車輪脱落事故防止のための「緊急対策」(国土交通省)
- 車輪脱落事故防止は正しい知識から〜トラック・バスの正しい車輪の取扱い〜(日本自動車工業会)
全日本トラック協会では、タイヤ交換時のポイントなどを解説したDVDを作成し、機関紙「広報とらっく」に同封し全会員に配布しております。また、同内容の動画についてはYouTube全日本トラック協会チャンネルにて公開しておりますのでぜひご覧ください。