事業用自動車事故調査委員会の調査報告書の公表について|国土交通省

 国土交通省より、事業用自動車事故調査委員会が公表した「事業用自動車事故調査報告書」について、周知の依頼がありました。

 つきましては、今後同種の事故を未然に防止するため、本趣旨をご理解のうえ再発防止に積極的に取り組まれ、輸送の安全に万全を期すよう、お願い申し上げます。

【事故概要】

○ 日時:令和3年7月14日21時22分頃
○ 概要:大型トラックが中央自動車道の第1通行帯を走行中、渋滞で停止中の車列に追突したことにより、計5台の車両が関係する多重追突事故が発生。この事故により車列最後尾の乗用車の運転者及び同乗者の計2名が死亡し、同乗者1名が重傷、その他車両の運転者2名が軽傷を負った。

【原因】

〇運転者

・自らの判断で運行計画を変更。
・家庭の事情による心理的ストレスから考え事をしながら運転を継続し、前方の安全に対する集中力が低下。
・渋滞情報及び最高速度規制(50km/h)の表示に気付かず約75km/hで走行。

〇 事業者・運行管理者

・早朝・深夜においては、点呼と称して運転者から携帯電話によるメッセージの送信のみ。
・運転者任せの運行計画変更による拘束時間の超過、休息期間の不足等の発生を黙認。
・運転者の心理的ストレスが安全運行に影響を及ぼすことについての認識不足。

【再発防止策】

〇適切な運行管理

・運行の安全を確認する点呼は原則対面で確実に実施。
・改善基準告示を遵守した乗務割及び運行計画を作成し、変更を運転者任せにしない。

○適切な指導監督

・考え事や疲労の蓄積は運転に対する集中力の低下となり、事故に直結することを理解させる。
・風通しの良い職場環境の醸成と、運転者に対する積極的なストレスマネージメントの支援。

 

◆重要調査対象事故

(発出文書)

(国土交通省報道発表資料)

(参考)