平成30年度のホイール・ボルト折損等による大型車の車輪脱落事故発生件数は81件(うち人身事故3件)と3年連続で増加し、ピークとなった平成16年度の87件に迫る厳しい状況となりました。
事故が発生した車両の傾向として、左後輪に脱輪が集中していることに加え、今般、新たにホイール・ボルトやホイールの錆の除去が不十分のままタイヤ交換されているおそれがあることが確認されたため、関係団体と一致協力して、ボルトの錆の除去など適正な交換作業の実施、交換後、特に脱輪の多い左後輪の重点点検を大型車ユーザーに求めて参ります。
1.事故発生状況 【主な傾向】 ・冬期に多く発生する傾向に変わりはないが、冬期以外の発生が対前年度17ポイント増
・積雪地域に多く発生する傾向に変わりはないが、対前年度1.6ポイント増
・車輪脱着作業後1ヶ月以内に脱落が集中する傾向にあり、対前年度6.5ポイント増
・新たな兆候としてホイール・ボルトやホイール自体の錆の除去が不十分のままタイヤ交換されている可能性が考えられ、車齢4~6年経過した車両の脱輪事故が多発
・タイヤ交換作業が集中する11月の交換は対前年度15ポイント減、反面、12月の交換が対前年度17ポイント増
・左後輪脱落が全体の9割を占め、対前年度8ポイント増 2.大型車ユーザー実施事項 - 日程に余裕を持った計画的な冬タイヤの交換の実施。
- 車輪脱落事故防止のための下記4つのポイントを実施する。特に脱落の多い左後輪のタイヤについては重点的に点検する。
① ホイール・ナットの規定トルクでの確実な締付け ② タイヤ交換後、50~100km走行後の増締めの実施 ③ 日常(運行前)点検における確認 ④ ホイールに適合したボルト及びナットの使用
- タイヤの交換作業は、正しい知識を有した者に実施させる。
- 著しく錆びたホイール・ボルト、ナット、ディスクホイールでは、適正な締付力が得られないため、点検・清掃を行っても錆が著しいディスクホイール、スムーズに回らないボルト、ナットは使用せず、交換する。特に、初度登録年から4~6年経過する車両は、重点的に確認する。
- 増し締めをやむを得ず車載工具で行う場合の実施方法やその際の締付トルクの確認は、必ず帰庫後時にトルクレンチを使用して確認する。
|
【関連記事】