2021年度卒業・修了予定者等の就職・採用活動に関する要請について|内閣官房 他

 我が国の持続的な発展のためには、若者の人材育成が不可欠であり、学生が学業に専念し、安心して就職活動に取り組める環境をつくることが重要です。

 しかしながら、学生の就職・採用活動を取り巻く状況をみると、就職・採用活動の日程が遵守されていない事例が増加しています。また、採用選考活動等では、学生の個人情報の不適切な取扱いにより、就職活動に不利に働くようなサービスが提供され、利用される事案や、就職をしたいという学生の弱みに付け込むような学生に対するセクシュアルハラスメント行為も発生しています。さらに、就業体験を伴わないプログラムが、インターンシップと称して行われたり、そのような情報発信がなされる事態も生じています。

 こうした事態は、学生に混乱をもたらすとともに、学生が学修時間等を確保しながら安心して就職活動に取り組める環境を大きく損なうものです。

 このため、政府として「2021年度卒業・修了予定者等の就職・採用活動に関する要請事項」をとりまとめ、令和2年3月31日付けで経済団体等(1,254団体)へ要請しましたのでお知らせします。

2021年度卒業・修了予定者等の就職・採用活動に関する要請事項のポイント

 2021 年度(2022 年3月)に卒業・修了予定の学生を対象とした就職・採用活動について、政府として就職・採用活動を行う主体に広く要請する事項のポイントは、以下のとおりです。

〈今回の要請事項のポイント〉

1.就職・採用活動日程を以下のとおり、遵守すること。

・広報活動開始: 卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降
・採用選考活動開始: 卒業・修了年度の6月1日以降
・正式な内定日: 卒業・修了年度の10月1日以降

2.学事日程等に十分配慮すること。

・採用選考活動は、土日・祝日、平日の夕方以降の時間帯などを活用するとともに、学生の健康状態に配慮すること。
・遠隔地の学生に対し、多様な通信手段などを活用すること。

3.日本人海外留学者・外国人留学生などに対し、多様な採用選考機会を積極的に周知・提供すること。

4.学生の個人情報の取扱い等について、法令を遵守すること。

5.セクシュアルハラスメント等の防止を徹底すること。

6.就業体験を伴わないプログラムをインターンシップと称して行ったり情報発信することがないようにするとともに、学生の長期休暇の活用など学事日程に十分配慮すること。

7.採用選考に当たり、成績証明等を一層活用し、学修成果や学業への取組状況を適切に評価すること。

8.卒業・修了後少なくとも3年以内の既卒者は、新規卒業・修了予定者の採用枠への応募を可能とすること。

※ 要請事項の周知状況等を把握するため、経済団体等へアンケート調査を別途実施。