貸切バスによる死傷事故の発生を踏まえた事業用自動車の安全確保の取組の徹底について/国土交通省

 4月21日(日)、神戸市JR三宮駅前において発生した死傷事故を踏まえ、「乗合バスによる死傷事故の発生を踏まえた事業用自動車の安全確保の徹底について」により、事業用自動車の安全確保に万全を期すよう周知徹底を図ったところですが、その後も、5月24日(金)、滋賀県草津市の名神高速道路上り線の草津ジャンクション付近において、貸切バスが乗用車に衝突し、他の2台の乗用車を巻き込み、乗用車に乗っていた方のうち1名が亡くなり、3名が重傷、11名が軽傷を負われたほか、貸切バスの乗客2名が軽傷を負う痛ましい多重事故などが発生しております。

 今回の名神高速道路草津ジャンクション付近の事故の原因については現在調査中ですが、本件は、運転者の前方不注意によるものと思われる事故であり、自動車運送事業そのものの社会的信頼を大きく失墜させるものであります。

 このため、事業用自動車の安全確保に万全を期すために、下記事項について各事業者において改めて徹底していただきますようお願い致します。

 運送事業者は、運行管理者に対して以下のことを改めて徹底するとともに、その実施状況について乗務記録を確認すること等により、安全に運行をすることができないおそれがある状況での運行を行わないこと。

(1)運転者が過労運転とならないように、「旅客自動車運送事業運輸規則第21条第1項の規定に基づき、事業用自動車の運転者の勤務時間及び乗務時間に係る基準」(平成13年12月3日国土交通省告示第1675号)その他の関係法令に基づいて作成した乗務割に従って運転者を事業用自動車に乗務させるとともに、運転者の健康状態、疲労状態等の確実な把握に努め、安全な運転をすることができないおそれのある運転者を乗務させないこと。

(2)運転者に対する指導、点呼等において、

① 運行に際して注意を要する箇所を伝えた上で、運行している道路の状況に対する注意を徹底すること。
② 道路の状況を踏まえた安全速度での運転等の道路交通法等の法令遵守を徹底すること。
③ 運転中に疲労や眠気を感じたときは運転を中止し、休憩するか、又は睡眠をとることを徹底すること。また、疲労や眠気により安全な運転を継続することができないおそれがあるときは、申し出るよう徹底すること。